舛谷先生の紹介により思いがけず参加することとなった平林寺半僧坊大祭の伊豆殿行列。正直なことを言うと、これまで新座市の伝統行事や歴史に目を向けたことはありませんでした。しかし、事前学習会や当日の行列参加は、私自身住み始めて3年目となるこの街について学べ、同時にこの街にもっと興味を持つきっかけにもなりました。
そもそも平林寺半僧坊大祭とは、毎年4月17日に行われる新座市の祭です。臨済宗妙心寺派別格本山である平林寺の行事の1つで、半僧半俗の姿をした摩訶不思議な神通力を持つ守護神を信仰する、という目的があります。
そのような大祭の中で行われるイベントのひとつでる伊豆殿行列とは、新座市の野火止用水開発に着手した松平伊豆守信綱をたたえ、彼や小畠助左衛門ら20名ほどの仮装をし、平林寺大通りを練り歩くというものです。
当日の参加を前に、新座市観光ボランティアガイド協会の方々のご厚意により事前学習会を開いていただき、実際に野火止用水開発にまつわる歴史や現在の野火止用水の姿を見ることができました。350年ほどの時を経ても未だこの新座市に流れる用水を見て、この街が持っていた歴史を感じることができました。
また少しだけですが、事前学習会の日程決めや当日の行列の準備などを経て、こういった伝統的な行事やお祭りを開催させることの大変さと、伝統や歴史を後世に紡いでゆく大切さを、少しでも身をもって経験できたことは、自分にとってとても貴重な財産となりました。
新座市に住む、もしくは新座市にまつわる人々にとって、知っておくべき大切な歴史を、風化させることなく伝承させてゆく役割を持つこの祭に、こうして少しでも携われたことをとても嬉しく思います。そしてこの祭を機に知ることのできた新座市の知られざる様々な魅力を、自分から次々発信していけるように努めたいと思いました。
横須賀征
【関連する記事】