土砂降りのスコールが窓をたたく。
明日の天気を心配しながらブルーライトを浴びる。
明日は富士登山である。
7時に新宿駅に集合。2年は初登山であり、多くの者が先輩方に装備を借りた。
皆が不安と期待を胸に抱えている。
それにしても激しい雨である。
九州は経験したことのない豪雨らしい。
先日登ったTみきの報告によると凍える寒さであった。
バックパックがパンパンになってしまった。
拓は我が家に泊まり、すでに就寝。
彼の意気込みはこうだ。「富士山登頂してみせます。そしてゼミ仲間とより深い絆を。」
舛谷ゼミで富士山登ると言うと、たいてい「なんで?」と返ってくる。
「ウチには外国人から見た観光地というテーマで研究してるサブゼミがあるんだ。けれど、自分たちは日本のシンボルとしての富士山知らないよね?だからいわばこれは日本の観光事業を深く理解するためのFWなんだ。」こう答える。
はたしてそんな余裕があるのだろうか。
薄い酸素、0度を下回る気温、2日がかりの強行軍。
しかし、我々は観光立国を目指している日本、そこの「観光学部」の名を冠した大学生だ。
富士山くらい制覇しなければならない。
じゃあいつやるの?今でしょ。
2年小野田